PILOT万年筆の値上がり価格表をみていると、これまたとんでもなく値上げする万年筆を見つけました。
それがカスタム楓。
私の「いつかはお迎えしたい万年筆リスト」にも入っていなかったので、何とも思っていませんでしたが、
「これももう二度と手に入れることができない万年筆だな~」と。なんせ、値上げ率83%ですよ!
そんなカスタム楓ってどんな万年筆だろう?と調べだしたところ、
購入に至り「もっと早くにお迎えしておけばよかった万年筆リスト」(シルバーンも)に入ってしまったのです!
PILOT万年筆 COSTOM 楓(かえで)の特徴
軸:木軸 楓(イタヤカエデ)
ペン先:一般的なオープンニブ 10号サイズ 14k 細字(F)
キャップ:ねじ込み式(ねじ込み部分は樹脂)
カスタム楓の軸
カスタム楓の1番の魅力は自然の木を削り出して作られている木軸です。
木目模様は個体それぞれの一期一会。
私のところにやってきたのは、割と木目がしっかり付いたものでした。
(木目が出ているのが欲しかったな~と思っていたので、ちょうとよかったです)
木材にプラスチックの特殊加工がされているので、歪んだりすることがないよう強度も加工されています。
気兼ねなく使えそうです(無垢の家具や床でも気遣いが大変で・・・)
カスタム楓のペン先
10号サイズの14kなので、カスタム742と同じ大きさと素材になります。(しかし・・・↓)
(左:カスタム823の15号サイズ 右:カスタム楓の10号サイズ)
カスタム742を持っていないので、見比べることはできませんが、調べてみるとカスタム742と楓のペン先は別物らしいのです!
現行のカスタムシリーズはボールペンを使い慣れた筆圧が高めの現代人に合わせて、1993年ごろに形状を変えたそうです。
しかし、カスタム楓のペン先はそのまま変えず、旧カスタムシリーズのままの形状を残しているそうです。
そのため、カスタム742とは書き味が違うとか!?
カスタム楓のキャップ
左:カスタム楓のキャップはねじ込み式になります。
右:古いカスタム楓(?)は嵌合式になります。ペン先の形も違いますね。
キャップの開閉には問題はありませんが、インク交換の際に注意が必要とのこと。
首軸(ペン先がついている部分)と胴軸(インクが入っているところ)もネジ式で繋がっていますが、
上の写真のネジ溝が付いているところが胴軸の上部になるため、木軸の部分を握りしめて力強く回すと
樹脂のパーツと木軸が取れてしまう可能性が出てしまうとか!?
樹脂同志を持って回すようにしないといけないそうです・・・
(初めてインクを入れるとき、木軸部分を持って回してしまってました・・・)
なぜ、今までカスタム楓に目が向かなかった?
ふと考えると、革製品や家具もそうですが、長年使用して育てるものが好きな私がどうして迎えなかったのか?
それは正直、第一印象がいまいちというか・・・・
元々、万年筆はデザイン重視で形はバランス型(万年筆の頭とお尻が丸い形)よりベスト型(平べったい形)が好きだったからです。
カスタム楓のバランス型ですからね。
それに、ぱっと見が「オジサン」を通り越して「おじいさん」・・・のようなイメージがして(これは個人的意見)
そのため、かなり敬遠していました。
それならベスト型のカスタム槐(えんじゅ)の方がいいかも?=そこまでして欲しくはありませんでした。
私の希望を叶えてくれてる万年筆を1本持っていたせいもあるかもしれません。
先程も登場した旧型のカスタム楓(?)←木軸ではありますが、素材は不明
が形といい、ペン先といい、好きな形をしていたからです。
ベスト型のペン先はインレイニブ(首軸と胴軸が一体化・つめのように嵌め込まれたペン先)
ヤフ〇クで落札してから数年になりますが、久しぶりに「木軸って持っていたかな?」と引っ張り出してきましたが、
やっぱりベスト型が好きだな~と満足しました。
なぜ、カスタム楓を購入してしまったのか!?
新しい木軸を育てたくなった
旧型のカスタム楓(?)を出してきた時に思ったのが、「これって自分で育ててないよね?」ということ。
誰か知らない人が育てたのを譲り受けた形ですから。
新しい木を自分で育てたくなってきたのです。
Capless木軸でもいいかな?とは思ってたのですが、「Capless、ちょっと持ちすぎ・・・」
旧カスタムシリーズのペン先を使ってみたかった
これが1番購入する大きなきっかけです。
5号ペンのカスタム74を持っていますが、まあまあ力強く書かないとかすれてしまうことがありました。
ペンドクターに診てもらった時もそうでしたが「PILOTのペンは硬いのでガンガン書いてあげてくださいね」とも言われました。
もともとボールペンが好きじゃなかったということは、筆圧が弱くて万年筆の魅力にハマったわけです。
固いPILOTとは相性が悪かったのか(笑)
そんな私に旧カスタムシリーズのペン先が使用されている!と聞いたら、「使ってみたい衝動が!!!」
どんな書き心地なんだろ?どんなに軟らかいペン先なんだろ?と衝動を抑えられませんでした。
値上げ率がパンパない
2024年10月1日からの値上げはすごいです。
シルバーンの時もそうですが、「もう二度とお迎えすることができなくなる」と思うと、「とりあえずお迎えしておこう」と何かが背中を押してしまいました・・・
本当に万年筆は高級筆記具になっちゃいました・・・
もっと早くお迎えしておけばよかった万年筆です
見た目はやはり「おじいさん」のイメージは変わりませんが、書き味のいい万年筆でした!
今回の場合は軸のデザインは置いておいて、書き味重視です。
旧型カスタム楓(?)が中字(M)なので、細字(F)を選びました。
この細字がカスタム74とは全く別物でした(5号と10号では違いはあると思いますが)
カスタム823を購入した時以上の感動かもしれません。
現行カスタム楓も紙にインクが吸い付くような書き心地です。
万年筆をおろしたての時って、ペン先自体がインクになじんでないのか、紙とインクがはじくというか、
紙にインクを乗せてる感じになります。
しかし、カスタム楓の場合は紙に吸い付く感じでヌラヌラ感というか、スラスラ書けて快適でした。
本当に値上がり前にお迎えすることができて、よかったです。
書き味最高なので、使って使って木軸を自分色に育てていくのが楽しみになってきました。
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